Story

Born in the Mountains起源と革新

Rocky Mountain Featherbed(RMFC)は、1960年代後半、アメリカ・ワイオミング州ジャクソンホールにて誕生。ネイティブアメリカンのレザーケープに着想を得て、極寒地で働くカウボーイのための防寒ウェアとして生まれました。羽毛布団(Featherbed)のような温もりを備えた構造、一枚革で仕立てた継ぎ目のないウエスタンヨーク——その高い機能美は、瞬く間に唯一無二の存在となります。1974年には、当時最先端の素材GORE-TEX®を用いたマウンテンパーカを開発。アウトドアウェアの革新を牽引しながらも、1980年代後半にその幕を下ろします。

Awakened by Memory再発見と再会

ブランドが静かに姿を消したその後も、RMFCの価値に魅せられた一人の日本人がいました。1990年代、寺本欣児はアーカイブの収集を開始。ある日RMFCのベストを纏い食事に出かけた先で、創業者と繋がりのあるアメリカ人デザイナーと偶然出会います。その偶然の出会いは、途絶えていたブランドの記憶を紐解く扉となり、やがて彼がRMFCの意志を継承する大きな契機となりました。

Built on the Past再構築と継承

幾度もの試作と研究を経て、2005年秋、RMFCは再びその名を冠し、新たな一歩を踏み出します。サーティーファイブサマーズが手がけたプロダクトは、レザーヨークや天然ムートンの襟といった象徴的なディテールを忠実に再現しつつ、現代の素材と技術を融合。アーカイブを超える完成度で、今の時代に寄り添うガーメントとして再構築されました。過去への敬意と未来へのまなざしが交差する、唯一無二のプロダクトがここにあります。

Made to Move Forward境界を越えて、日常の本質へ

RMFCは今も進化を止めることなく、その歩みを続けています。乗馬用として生まれた設計は、都市生活やアウトドア、サーフシーンにもフィットする“今”の装いへとアップデート。軽やかで快適、扱いやすく、かつ美しい佇まい。細部の素材選定や構造設計に至るまで、現代的な機能美を追求しています。初期モデルに受け継がれる赤や黄、緑などのRMFCらしいカラーリングは、今も変わらぬアイコンとして息づきながら、時代に合わせたアップデートを重ねています。寺本は語ります。「ヘリテージを大切にしながら、進化し続けること。それが僕の使命です。いずれは“現地で作り、現地で届ける”。そんなブランドの在り方を、アメリカやヨーロッパでも実現したい」。その情熱と実直さを胸に、RMFCはこれからも、時代や国境を越えて多くの人々を魅了し続けていきます。